灰釉とは?
はいゆう
灰釉とは、植物の灰を原料とした釉薬で、日本の陶芸において古くから使われてきた伝統的な釉薬です。
灰釉(はいゆう・かいゆう)とは、木や草などの植物を燃やした灰を主原料として作る釉薬(うわぐすり)のことです。釉薬とは陶磁器の表面に塗って焼くガラス質の被膜で、器を水に強くするとともに美しい色や光沢を生み出します。
灰釉の歴史は古く、日本では奈良時代から平安時代にかけて自然釉として窯の中で灰が降り積もって偶然に生まれていました。その後、意図的に灰を釉薬として使用する技法が確立され、鎌倉時代以降には各地の窯で積極的に用いられるようになりました。
使われる灰の種類によって発色や質感が大きく異なります。代表的なものとして以下が挙げられます。
- 木灰釉:松や楢などの木灰を使い、やわらかな緑灰色や青みがかった色が出やすい
- 藁灰釉:稲藁の灰を用い、白っぽい柔らかな発色が特徴
- 土灰釉:山野の雑草などを燃やした灰で、素朴な風合いが出る
焼成温度や炎の状態(酸化・還元)によって色調が変化するため、同じ釉薬でも窯ごと、作品ごとに異なる表情が現れるのが灰釉の魅力です。志野焼・信楽焼・備前焼など日本各地の陶器に見られ、侘び寂びの美意識とも深く結びついています。現代でも多くの陶芸家が灰釉を用いた表現に取り組んでいます。
使い方・例文
茶道の世界では灰釉のかかった茶碗が古くから珍重されており、窯変によって生まれた独特の景色が鑑賞の対象となります。
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