本質主義とは?
ほんしつしゅぎ
本質主義とは、事物にはそれを「その事物たらしめる」本質的性質が固有に備わっているとする哲学的立場で、普遍性・固定性を重視します。
本質主義(essentialism)とは、あらゆる事物・概念・種・人物には、それを他のものと区別する本質的な性質(エッセンス)が内在しており、その本質こそが対象を定義するという哲学的立場です。
本質主義の起源はアリストテレスにさかのぼります。アリストテレスは「本質(ousia)」こそが事物の定義を支える核心だと論じました。中世のスコラ哲学においても、種の本質を普遍として捉える立場が主流でした。
本質主義は様々な領域で顔を出します。
- 生物学的本質主義:各生物種には固有の本質があるという考え(進化論によって批判)
- ジェンダー本質主義:男女には生物学的・心理的本質差があるとする立場(フェミニズムから批判)
- 文化的本質主義:特定の民族や文化に固有の本質があるとする考え方
現代哲学では本質主義への批判が多く展開されています。クワインの「本質主義への懐疑」、サルトルの「実存は本質に先立つ」というテーゼ、そしてフーコーやバトラーによる社会構築主義的アプローチは、本質とされるものが歴史的・社会的に構築されたものだと主張します。
本質主義か反本質主義かという対立は、科学哲学・政治哲学・倫理学にわたる広範な問題を提起しています。
使い方・例文
「女性には本来、母性や感情的な面が備わっている」という主張は本質主義的な発言の典型で、フェミニズムの議論でその妥当性が問われます。
この用語をシェア
最終更新: