対象関係論とは?
たいしょうかんけいろん
対象関係論とは、人が他者との関係性を心理的にどう内面化するかを中心に据えた精神分析の理論体系です。
対象関係論(Object Relations Theory)とは、精神分析の一派であり、人間の心理発達や精神的健康を「対象」(主に重要な他者)との関係のあり方から説明する理論です。フロイトの古典的精神分析が本能的衝動(リビドー)を中心に置いたのに対し、対象関係論では「人は本能的欲求を満たすためではなく、他者との関係を求めるために動機づけられている」という視点を重視します。
「対象」とは精神分析用語で、欲求や感情が向けられる相手(主に人)を指します。乳幼児期に養育者(特に母親)との関係でどのような内的表象(心の中のイメージ)が形成されるかが、その後の対人関係や自己感覚に大きく影響すると考えます。
代表的な理論家と概念には以下のものがあります。
- メラニー・クライン:「分裂」「投影同一視」「抑うつポジション」などの概念を提唱
- ドナルド・ウィニコット:「移行対象」「十分によい母親」「抱える環境」を論じた
- ロナルド・フェアベーン:リビドーは対象を求めると主張し、古典的理論と決別
- ジョン・ボウルビィ:愛着理論として発展させ、実証研究との橋渡しを行った
対象関係論は現代の精神分析的心理療法・精神科治療の基盤として広く活用されており、パーソナリティ障害や発達障害のある方への理解と支援にも応用されています。
使い方・例文
対象関係論は、幼少期に親との関係で形成された「心の中のパターン」が、大人になってからの恋愛や職場の人間関係に繰り返し現れる仕組みを説明する際に登場します。
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