反実在論とは?
はんじつざいろん
反実在論とは、外部世界や数学的対象・道徳的価値などが人間の認識や言語から独立して存在するという実在論を否定する哲学的立場の総称です。
反実在論(Anti-realism)は、私たちが認識したり語ったりする対象が、人間の心や言語・社会的実践から独立して「それ自体として」存在するという実在論(Realism)への反論的立場を指す哲学用語です。一つの統一的な学派ではなく、様々な領域で提唱される複数の立場の総称です。
哲学のどの分野で問題にするかによって、反実在論の主張は異なります。
- 科学的反実在論:科学理論が扱う電子や力場などの観察不可能な対象は実在しないか、あるいはその存在に確信を持てないと主張する(道具主義・構成的経験主義など)
- 数学的反実在論:数や集合などの数学的対象は客観的に存在するのではなく、人間の構成物だと主張する(直観主義・形式主義など)
- 道徳的反実在論:道徳的事実は客観的に存在せず、感情や社会的合意に基づくと主張する
代表的な哲学者として、マイケル・ダメットが意味論的反実在論を展開し、「真理は証明可能性と結びつく」と主張しました。また、ネルソン・グッドマンは「世界は多元的に構成される」という世界形成論(worldmaking)を唱えました。
反実在論は、私たちの知識や言語が世界をどのように捉えているかという認識論的・意味論的問いと深く結びついており、現代哲学の核心的テーマの一つとなっています。
使い方・例文
科学哲学の授業で「電子は本当に存在するのか、それとも理論上の便利な道具に過ぎないのか」という議論が行われるとき、反実在論の視点が登場します。
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