ミニアチュールとは?
みにあちゅーる
ミニアチュールとは、中世ヨーロッパの写本装飾に起源をもつ、極めて細密に描かれた小型絵画のことです。
ミニアチュール(miniature)とは、非常に小さな画面に精緻な描写を施した細密画を指します。語源はラテン語の「minium(朱色の顔料)」に由来し、もともと中世ヨーロッパの写本の頭文字や挿絵を赤色で描いた装飾技法を意味していました。
中世の写本装飾から発展したこの技法は、15〜17世紀のヨーロッパで肖像画の分野に応用され、象牙・羊皮紙・銅版などに水彩や油彩で描かれた携帯用の肖像ミニアチュールが貴族や王族の間で流行しました。贈答品や形見として持ち歩かれ、ロケットやケースに収めて身につける習慣も生まれました。
技法上の特徴として以下が挙げられます。
- 画面サイズは数センチ程度と非常に小さい
- 細い筆で点描・線描を重ね、高度な細密表現を追求する
- 象牙の滑らかな表面を活かした透明感のある発色
- 主に肖像画・宗教画・風景画などを題材にする
18〜19世紀にかけてヨーロッパ全域で盛んに制作されましたが、写真技術の普及とともに肖像ミニアチュールの需要は急速に衰退しました。現在でもコレクターから高い評価を受けており、美術史における装飾芸術の重要なジャンルとして位置づけられています。
使い方・例文
ルーヴル美術館やヴィクトリア&アルバート博物館などに、16〜19世紀のミニアチュール肖像画コレクションが多数所蔵されています。
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