アプスーとは?
あぷすー
アプスーとは、メソポタミア神話に登場する太初の淡水の深淵を神格化した存在で、天地創造神話の根源的な父神として位置づけられます。
アプスー(シュメール語: Abzu、アッカド語: Apsû)は、古代メソポタミア神話における原初の淡水の深淵を神格化した神です。大地の下に広がる甘水(淡水)の原初的な海として表現され、宇宙の始まりに存在した根源的な存在とされます。
バビロニアの創世神話「エヌマ・エリシュ」においてアプスーは中心的な役割を担います。アプスーは塩水の海を象徴する女神ティアマトと混じり合い、そこから最初の神々が生まれたとされます。しかし若い神々の騒がしさに怒ったアプスーは彼らを滅ぼそうとしますが、逆に知恵の神エンキ(エア)に眠らされて殺されてしまいます。エンキはアプスーの死体の上に自らの神殿を建てました。
アプスーの概念は古代メソポタミア文明の宇宙観と深く結びついています。
- 地下水・湧き水・井戸はアプスーとつながる神聖な場所とみなされた
- エンキの神殿エリドゥはアプスーの上に建てられたとされる
- 祭祀では「アブズ」と呼ばれる聖水盤で清めの儀式が行われた
- 後の文化・宗教における「原初の海」「混沌の水」モチーフの源流となった
アプスーは古代メソポタミアにおける自然現象の神格化の典型例であり、水を生命の源として崇めた農耕文明の世界観を反映しています。その神話はギリシャ神話など後世の文化にも影響を与えたと考えられています。
使い方・例文
メソポタミア神話を扱う文学・ゲーム・学術書では、天地創造の場面でティアマトとともにアプスーが登場します。考古学では古代神殿の水盤施設が「アブズ」に相当するものとして論じられます。
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