道行とは?
みちゆき
道行とは、歌舞伎や浄瑠璃における場面の一形式で、男女の駆け落ちや心中に向かう道中を美しい舞踊と音楽で描く情趣豊かな演目のことです。
道行(みちゆき)とは、歌舞伎・人形浄瑠璃において、男女が一緒に旅路を行く場面を指す演劇用語です。特に、心中や駆け落ちへ向かう二人の道中を、悲しみや覚悟の情感を込めて描く場面として定型化されています。
道行の場面は独立した様式美を持ちます。長唄や義太夫節などの音楽に乗せて、美しい衣裳をまとった二人が舞台を横切るように踊りながら進む形が基本で、セリフよりも身体表現と音楽が中心となります。季節の情景や心情を詠み込んだ詞章(歌詞)が艶やかに歌われ、視覚・聴覚の両面で観客を引き込みます。
代表的な道行の演目には、『仮名手本忠臣蔵』の「道行旅路の花婿」や、近松門左衛門の心中物を原作とする「道行恋の道中」などがあります。衣裳や小道具の美しさが特に重視され、桜や雪景色など季節感のある舞台装置と相まって、歌舞伎の中でも視覚的な見どころの一つとされています。道行という様式は、日本の悲恋・心中文化と深く結びついており、「一緒に死出の旅路を行く」という美意識が凝縮された表現形式です。
使い方・例文
「歌舞伎の道行の場面では、心中に向かう二人が美しい音楽とともに舞台をゆっくりと進み、観客はその詩情と悲哀に引き込まれる。」
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