蔵鋒とは?
ぞうほう
蔵鋒とは、書道において筆の穂先(鋒)を画の内側に隠すように起筆・収筆する技法で、力強く重厚な線質を生む書法の基本概念です。
蔵鋒(ぞうほう)とは、書道における筆の使い方の一つで、筆の穂先(鋒)を線の内側に隠して書く技法を指す。起筆(書き始め)の際に筆を逆方向から入れて鋒を線の中に包み込む「逆入」の動作と、収筆(書き終わり)の際に穂先を内側に引き戻す動作の両方に適用される。
蔵鋒と対になる概念が「露鋒(ろほう)」であり、穂先を紙面に露出させて書く技法である。この二つの使い分けが書の表情を大きく左右する。
蔵鋒の特徴と効果は以下の通りである。
- 線の両端が丸みを帯び、重厚で堂々とした印象を与える。
- 中国最古の書体である篆書(てんしょ)では蔵鋒が基本とされ、古典的な格調が生まれる。
- 楷書・隷書においても蔵鋒は基本技術として重視され、初学者が最初に習う重要な概念である。
- 内に力を蓄えたような線質は、書の「気力」の充実を表すとされる。
書道の古典である「永字八法」にも蔵鋒の概念が含まれており、書の根本原理として東アジア全域の書法教育に受け継がれている。書の稽古では蔵鋒・露鋒の使い分けを意識することが、線質の向上と表現の幅の拡大につながるとされる。
使い方・例文
書道教室の指導場面や古典臨書の解説書で「起筆は蔵鋒で入る」「蔵鋒を意識した重厚な線」という形でよく使われる専門用語です。
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