羽衣とは?
はごろも
羽衣(はごろも)とは、能の代表的な演目のひとつで、漁夫が天女の羽衣を拾い、返礼として天女が舞を披露するという優美な物語です。
羽衣(はごろも)とは、能楽の演目のひとつで、世阿弥の作とも伝えられる最も有名な「夢幻能(むげんのう)」のひとつです。舞台は駿河国(現在の静岡県)の三保の松原で、美しい自然を背景に天女と漁夫の交流を描きます。
あらすじ
漁夫・白龍(はくりょう)が松の枝に美しい衣をかけているのを見つけて持ち帰ろうとします。そこへ天女が現れ、それは天に帰るための「羽衣」であると告げ、返してほしいと懇願します。白龍が「舞を見せてくれるなら返す」と申し出ると、天女は「疑うことは人間の慣いで、天の世界に偽りはない」と語り、先に羽衣を受け取ってから約束通り舞を舞い、やがて天へと帰っていきます。
能楽としての特徴
羽衣は以下の点で能の精髄を示す演目として評価されています。
- シテ(主役)の天女が演じる「羽衣の舞」は、優雅さと神秘性を兼ね備えた名場面
- 詞章(せりふ)が文学的に洗練されており、とくに「月に叢雲…」の一節が有名
- 天女の衣裳(白地の唐織・天冠)と金箔を貼った面が舞台に神聖な雰囲気を醸す
文化への影響
羽衣の物語は古くから各地に伝わる「天女伝説」を能楽の形式で完成させたもので、後世の演劇・文学・絵画にも広く影響を与えています。三保の松原は今日も名勝地として知られ、羽衣伝説の碑が立てられています。
使い方・例文
能楽堂で「羽衣」を観ると、天女役のシテが幽玄な舞を披露する場面が最大の見どころです。入門的な演目として初めて能を観る人にも親しみやすいとされています。
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