経路積分とは?
けいろせきぶん
量子力学において粒子がある状態から別の状態へ遷移する確率振幅を、あらゆる可能な経路の寄与を足し合わせて計算する手法です。
経路積分(パス積分)とは、1948年にリチャード・ファインマンが定式化した量子力学の計算手法で、粒子の遷移振幅をすべての可能な経路にわたる積分として表します。古典力学では粒子は一つの確定した経路をたどりますが、量子力学では原理的に無数の経路が同時に「試されて」います。
仕組み:各経路に対して位相因子(e の虚数乗)を割り当て、それをすべての経路について足し合わせることで遷移振幅を求めます。古典的な経路はこの位相が最も揃って強め合い、量子ゆらぎが大きい領域では相殺されるという直感的な描像を与えます。
応用範囲:経路積分は以下の分野で広く使われます。
- 場の量子論(素粒子物理学)の基本的な計算手法
- 統計力学・凝縮系物理における分配関数の計算
- 量子重力理論の定式化への試み
- 金融工学のオプション価格モデル(確率論との対応)
意義:シュレーディンガー方程式やハイゼンベルクの行列力学と数学的に等価ですが、古典力学との対応が視覚的にわかりやすく、場の理論の摂動展開(ファインマン図)を自然に導く点で特に強力です。
使い方・例文
素粒子の散乱断面積を計算するファインマン図の背景となる手法として登場し、量子電磁力学や標準模型の計算に不可欠です。
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