神道五部書とは?
しんとうごぶしょ
神道五部書とは、伊勢神宮の神道を説いた中世の五つの神道書の総称で、神道神学の体系化に大きく貢献した文献群です。
神道五部書(しんとうごぶしょ)とは、伊勢神宮(内宮・外宮)に伝わるとされた五つの神道書の総称です。鎌倉時代末期から南北朝時代にかけて成立したとみられ、伊勢神道(度会神道)の理論的基盤を形成する重要文献として位置づけられます。
五部書の構成は以下の通りです。
- 『天照坐伊勢二所皇太神宮御鎮座伝記』(内宮鎮座伝記)
- 『伊勢二所皇太神御鎮座次第記』(外宮鎮座次第記)
- 『豊受皇太神御鎮座本記』(豊受鎮座本記)
- 『造伊勢二所太神宮宝基本記』(宝基本記)
- 『倭姫命世記』(やまとひめのみことせいき)
これらの書は神代から伊勢神宮鎮座に至る神話的経緯を記し、神道の教義や祭祀の意義を説きます。度会氏(外宮の神職)がその成立に深く関わったとされており、外宮の豊受大神を内宮の天照大神と同等以上に位置づける主張が含まれているため、内宮側との対立の要因にもなりました。
文献学的には後世の偽撰書とする見方も有力ですが、中世神道思想の発展に与えた影響は大きく、吉田神道や儒家神道にも思想的影響を及ぼしました。神道の神学化・体系化のうえで不可欠な資料として研究が続いています。
使い方・例文
中世の神道研究や伊勢神宮の歴史を扱う文献では、神道五部書が外宮を重視する「外宮優先」論の根拠として引用されることが多く、中世の宗教論争を読み解く際に必ず参照される史料です。
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