沓脱石とは?
くつぬぎいし
沓脱石とは、縁側や玄関の前に置かれる平らな石で、履き物を脱いで建物に上がるときに足を乗せるために用いる造園・建築要素です。
沓脱石(くつぬぎいし)とは、日本の伝統建築において縁側・濡れ縁・玄関先などの前面地面に据え置かれる石のことです。「沓」は履き物を意味し、その名の通り靴や草履を脱ぐ際に足を乗せるための踏み台として機能します。
沓脱石には実用的な役割と意匠的な役割の両方があります。実用面では、建物と地面の段差を埋めてスムーズな乗り降りを助けるとともに、縁側や床が汚れるのを防ぐ効果があります。意匠面では、石の選択や据え方によって庭と建物をつなぐ象徴的な境界となり、庭全体の格調を左右します。
用いられる石は、表面が平らで安定感のある自然石が好まれます。花崗岩・安山岩・玄昌石などが代表的で、時に銘石と呼ばれる産地の名石が使われることもあります。石の大きさは縁側の幅や建物の規模に合わせて選ばれ、一枚石で仕上げるものから複数の石を組み合わせるものまで様々です。
茶の湯の文化においては、茶室の躙り口(にじりぐち)前に据える沓脱石が特に重要視され、石の選定・据え方に亭主のセンスと客へのもてなしの心が込められます。現代でも和風住宅の玄関や縁側に設けられ、日本庭園の伝統意匠として親しまれています。
使い方・例文
縁側のある和室では、庭に下りるときに沓脱石に足を乗せ、履き物に履き替えるのが作法とされています。
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