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否定神学とは?

ひていしんがく

否定神学とは、神や絶対者の本質は人間の言語・概念では肯定的に語り得ないとして、「何でないか」を列挙することで神に近づこうとする神学・哲学的方法論です。

否定神学(Apophatic Theology/Negative Theology)は、神や究極的実在について「神は有限ではない」「神は時間に縛られない」のように否定的命題を積み重ねることで、その超越性を表現しようとするアプローチです。「肯定神学(カタファティック神学)」の対概念として位置づけられます。

思想的な源流プラトン哲学における「善のイデア」の超越性にあり、新プラトン主義のプロティノスが「一者」の絶対的な不可言性を強調したことで体系化されました。キリスト教神学では5世紀末頃の偽ディオニュシオス・アレオパギタの著作が重要な位置を占め、神は「善」「存在」といった肯定的述語さえも超越するとされました。

ユダヤ教神学ではマイモニデスが神の属性論において否定神学的立場を徹底し、イスラーム哲学でもイブン・スィーナー(アヴィセンナ)やイブン・ルシュド(アヴェロエス)の著作に類似の議論が見られます。東洋思想においても、道家の「道可道、非常道」(語り得る道は永遠の道ではない)や仏教の空の概念と親和性が指摘されます。

現代哲学では、デリダが否定神学と脱構築の関係を論じ、「神」を「他者」や「差延」に置き換えた思弁的議論を展開しました。言語と実在の限界を問う思想として、宗教哲学・比較宗教学・現代哲学で今も重要な参照枠となっています。

使い方・例文

「神を直接定義しようとすると必ず有限化してしまう」という問題を扱う宗教哲学の授業や、神秘主義神学を解説する文献で登場します。

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