保護する責任とは?
ほごするせきにん
保護する責任とは、国家が自国民を大規模な人権侵害から守れない場合、国際社会が代わって介入し保護する義務を負うという国際規範の概念です。
保護する責任(英語: Responsibility to Protect、略称R2P)とは、ジェノサイド・戦争犯罪・民族浄化・人道に対する罪という4種類の重大な人権侵害から市民を守る第一義的責任は各国政府にあるが、その政府が責任を果たせない・果たさない場合には、国際社会が適切な措置を講じる義務を負うという規範的概念です。
この概念は2001年にカナダ政府が設置した「介入と国家主権に関する国際委員会」が提唱し、2005年の国連世界サミット成果文書において国連加盟国全体が採択しました。従来の「国家主権」原則との緊張関係を内包しており、主権は国民への義務履行と表裏一体であるという考え方が根底にあります。
R2Pは三本の柱で構成されます。
- 各国政府が自国民を保護する責任
- 国際社会が能力構築・早期警戒などで各国を支援する責任
- 国家が保護に失敗した場合に国際社会が適時・断固たる行動をとる責任
実際の適用としては、2011年のリビア危機において国連安全保障理事会がR2Pを根拠に飛行禁止区域設定を承認した事例が知られています。しかしシリア内戦ではロシア・中国の拒否権行使によりR2Pに基づく介入が実現せず、概念の限界も露呈しました。
現在もR2Pは「主権侵害の口実になる」という批判と「人道的介入の法的根拠になる」という支持の間で国際社会の議論が続いています。
使い方・例文
ある国家が特定の民族集団に対してジェノサイドを行っているとき、その政府が国際社会の警告を無視し続けた場合、R2Pの枠組みのもとで国連安保理が武力行使を含む集団的措置を承認できるとされる場面で登場します。
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