井伏鱒二とは?
いぶせますじ
昭和を代表する日本の小説家で、「山椒魚」「黒い雨」などで知られ、ユーモアと哀愁が混ざり合う独特の文体が高く評価されました。
井伏鱒二(いぶせ ますじ、1898〜1993)は、広島県加茂郡(現・世羅町)生まれの日本の小説家です。本名は満寿二。早稲田大学文学部在学中から創作を始め、昭和文学を代表する作家のひとりとして長きにわたり活躍しました。
デビュー作に近い「山椒魚」(1929年)は、岩穴に閉じこもったまま出られなくなった山椒魚の孤独と葛藤をユーモラスに描いた短編で、今日も教科書に収録される代表作です。戦後の代表作「黒い雨」(1965〜1966年)は広島への原爆投下を題材に、被爆した姪の結婚難という問題を通じて原爆の悲惨さを描いた長編小説で、戦後文学の金字塔とも評されます。
井伏文学の特徴としては以下が挙げられます。
- ユーモアと哀愁が共存する独特のトーン。
- 社会の周縁に生きる小人物への温かな眼差し。
- 釣りや自然を好む作者の気質が反映された随筆的な作風。
- 簡潔で味わい深い文章表現。
1966年に野間文芸賞、1975年に文化勲章を受章しました。また太宰治の師としても知られ、人間関係のエピソードも文学史に刻まれています。95歳という長命のなかで多くの作品を残した、昭和文学の巨人です。
使い方・例文
国語の授業で「山椒魚」を読んだことがあるという文脈や、原爆文学・戦後文学を語る場で「黒い雨」の作者として登場することが多いです。
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