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ヘンリック・イプセンとは?

へんりっく・いぷせん

ヘンリック・イプセンとは、19世紀ノルウェーの劇作家で、家庭と社会の矛盾を鋭く描いた社会劇によって近代演劇の父と呼ばれる人物です。

ヘンリック・イプセン(1828〜1906)はノルウェー・シーエン生まれの劇作家です。幼少期に父が破産して極貧生活を送り、薬局の徒弟として働きながら独学で文学を学びました。その後、劇作家・劇場監督として活動し、やがてヨーロッパ全土に影響を与える作品を書き続けました。

初期は北欧神話・歴史を素材にしたロマン主義的な詩劇を書きましたが、1870年代以降に社会問題を扱う散文劇へと転換し、近代演劇の様式を確立しました。代表作には以下があります。

  • 『人形の家(Et Dukkehjem)』(1879年)——夫に従属する女性ノーラが自我に目覚め家を出る物語で、フェミニズム文学の先駆けとして世界的論争を巻き起こした
  • 『幽霊』(1881年)——遺伝病と偽善を扱い、上演禁止になった問題作
  • 『ヘッダ・ガブラー』(1890年)——抑圧された自我を破壊的衝動に向ける女性像
  • 『野のカモ』(1884年)——「人生の嘘」と幻想に依存する人間の姿

イプセンの演劇は舞台をリアルな家庭の室内に設定し、過去の秘密が現在を暴くという「分析的手法」を用います。ショウ、チェーホフ、ストリンドベリら後世の劇作家はほぼ例外なくイプセンの影響を受け、近代演劇の礎は彼なしには語れません。

使い方・例文

演劇の授業で「イプセン以降、舞台は社会問題を直接論じる場になった」と説明されるように、彼の名は近代劇の起点を示す用語として使われます。

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