本文へスキップ

ミュラー型擬態とは?

みゅらーがたぎたい

ミュラー擬態とは、有毒または有害な複数の種が互いに似た警告色をもつことで、捕食者への学習コストを分散し合うという擬態の一形態です。

ミュラー擬態(Müllerian mimicry)は、ドイツ動物学者フリッツ・ミュラー(Fritz Müller)が1878年に提唱した擬態の様式です。有毒・有害であるか、あるいは不味い二種以上の生物が、互いに類似した外見(とくに警告色模様)をもつ現象を指します。

この擬態の仕組みは次のように機能します。

  • 捕食者は警告色を学習するためにある数の個体を試食(または攻撃)する必要がある
  • 複数の有毒種が同じ警告色を共有すると、学習コストが参加する全種に分散される
  • 各種が払う「被食による損失」が少なくなり、すべての種が利益を得る

この点でミュラー型擬態は、無害な種が有害な種に似るベイツ型擬態とは本質的に異なります。ベイツ型では模倣者(無害種)だけが利益を得て被模倣者(有毒種)には負荷がかかりますが、ミュラー型では参加するすべての種が相互に利益を得る「共利共生」的な関係になります。

代表的な例はアマゾン盆地の毒チョウ(ヘリコニウス属)です。異なる種が同じ地域でほぼ同一の斑紋をもち、捕食者への警告を共有しています。ミュラー型擬態は、種多様性の維持・警告色の収斂進化・捕食者の学習行動を研究するうえで重要な事例を提供しています。

使い方・例文

南米の熱帯雨林には鮮やかな赤・黄・黒の模様をもつ複数種のヤドクガエルが生息しており、これらが互いに似た警告色をもつことで捕食者への警告効果を高め合うミュラー型擬態を形成しています。

この用語をシェア

𝕏 でポスト LINE

最終更新:

関連用語